IT業界の波は、農業や林業にまで広がっている。まず農業においては、農薬や肥料の状況をスマホなどで記録できる生産管理システムが普及されつつある。農業の見える化を行うことで、安心安全や生産性の向上を狙うことができる。このシステムを利用してミニトマト栽培をする男性によれば、これまではただ経験に頼っていたそうだ。農薬や肥料の使用状況のほか気温や湿度、照度などのデータを通して収穫時の労働時間のかけ方や苗の植え方に課題が見つかり、改善に役立ったと話す。また、ITを活用して農家の所得向上を図るベンチャー企業も注目されている。
仕組みとしては、休耕地や耕作放棄地となっている農地を企業や学校が年間使用量を払うことで、農場を持つ権利を得る。そして本来の土地所有者である農家が作物を育てることで、企業の社員や学校の児童が収穫体験をするというものだ。ある企業では社員旅行として、農家との交流や農業体験を行っている。
また学校においては野菜が育つ様子をウェブで観察し、月1回は保護者と共に農作業を体験する。収穫した作物は給食の材料として使用されるそうだ。気候や市況の変動に影響される作物の販売だけでは農家の経営は不安定なため、安定収入を得る方法として導入が進められている。
さらに林業では、空からの情報で林業再生を目指すためITが利用されている。その仕組みはまず軽飛行機などに搭載したレーザーを山林に照射することで、木の本数や高さを正確に測量する。次にそのデータをインターネットのクラウド上で事業者や市町村などが情報を共有する。そうすることで効率的な山林管理ができるだけでなく、需要に応じた木材の安定供給が可能となる。